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09月26日-03号

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  1. 宮古市議会 2000-09-26
    09月26日-03号


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    平成12年  9月 定例会          平成12年9月宮古市議会定例会会議録第3号第3号平成12年9月26日(火曜日)---------------------------------------議事日程第3号 日程第1 一般質問       19番 山野目輝雄君 ・海洋深層水の採水成功に伴う市当局の取り組みと支援について……………………………………………………………………………105                  ・子供の健全育成について       23番 田中 尚君  ・出崎開発について………………………109                  ・介護保険制度について        6番 近江勝定君  ・高浜港埋立地利用について……………122                  ・風力発電について---------------------------------------本日の会議に付した事件 上記日程のとおり出席議員(26名)   1番   千葉胤嗣君           2番   田頭久雄君   3番   三上 敏君           4番   中嶋 榮君   5番   山口 豊君           6番   近江勝定君   7番   沢田 勉君           8番   平沼 健君   9番   蛇口原司君          10番   中野勝安君  11番   佐々木武善君         12番   工藤 勇君  13番   中里栄輝君          14番   竹花邦彦君  16番   松本尚美君          17番   岩間 弘君  18番   城内愛彦君          19番   山野目輝雄君  20番   千束 諭君          21番   永浦奎輔君  22番   野沢三枝子君         23番   田中 尚君  24番   山崎時男君          25番   成ケ沢仁明君  26番   坂下正明君          28番   前川昌登君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のための出席者  市長       熊坂義裕君       助役       主濱 了君  収入役      長門孝則君       総務企画部長   西野祐司君  総務課長     菊池淳雄君       企画調整課長   金澤康拓君  産業振興部長   宇都宮 満君      商工観光課長   小本 哲君  財政課長     中洞惣一君       水産課長     嶋田宗治君  教育長      中屋定基君       教育次長     鼻崎正亀君  生活福祉部長   鈴木健市君       地域福祉課長   白根 進君  都市整備部長   大利泰宏君       建設課長     三浦 章君  健康推進課長   坂本邦雄君       市民生活課長   中嶋敏孝君  きれいな  まちづくり    廣田司朗君       水道事業所長   浦野光廣君  推進センター所長---------------------------------------議会事務局出席者  議会事務局長   飛澤寿男        議会事務局主幹  杉村 憲  速記員      駒井和子 △開議              午後1時01分 開議 ○議長(蛇口原司君) ただいままでの出席は25名でございます。定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。--------------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(蛇口原司君) 日程第1、一般質問を行います。順次質問を許します。 19番、山野目輝雄君。             〔19番 山野目輝雄君登壇〕(拍手) ◆19番(山野目輝雄君) 私は、平成12年9月定例会に当たり、質問通告に従い順次質問をいたします。 最初に、海洋深層水の採水成功に伴う市当局の取り組みと支援についてであります。このことについては、昨年9月定例会、また昨日の同僚議員からの質問と重複するとは存じますが、当局の前向きの答弁を期待し、質問させていただきます。 我々の社会を維持存続するためには、エネルギー物質循環系資源の確保は当然でありますが、これまでの経済性、利益性を最優先する考え方から、自然に調和する資源確保とむだのない利用技術を構築する考え方に重点を置くことが大事であると思います。 このような背景のもとで、近年、富栄養性、低水温性、清浄性などの資源的価値を持つ再生循環型の大型資源として海洋深層水に関心が向けられ、国内外で水産、エネルギー、医療等の分野で深層水利用の実用化または計画が進行していることは、ご承知のとおりであります。 さて、我が国では、海に隣接する自治体は本県を含め39あり、そのうち距岸5km内に 500mの水深を有する自治体は16あります。この点、我が国は深層水利用の立地に恵まれていると言えます。しかし、本県沿岸は他県と異なり、深層水の取水立地に適しているとは言えず、利用促進に当たり課題が多過ぎると、だれしもが認識してまいりました。 このような環境にあって、市内の民間会社で採水に成功し、かつ、すばらしいK値をも検出されたとの朗報に接し、感激いたしたのでございます。現在、当市の水産分野で深層水の有効性の実証を目的に魚介類の鮮度保持用氷研究開発がなされ、試験的ではありますが、水産業界や流通業界からも高い評価を得るなど、その波及効果が出ているとも伺っております。今後、実用化に向けた本格的な取水施設の整備が図られ、水産分野のみならず、その他の分野、特に出崎地区開発計画タラソテラピー施設での活用等、当市の活性化対策の一翼を担っていただければと期待しているところであります。 とはいっても、当局のこれに対する取り組みの姿勢が見えてこないのが現状であります。「さんまは宮古のものが一番。深層水を使用しているんですよ」だけでは、民間の一企業が、活気のある宮古市にと願う一心でこれまで身を投げ打って努力してきた、その努力に報いるためにも、官民一体となった取り組みや支援が必要と考えますが、市当局として今後どのような取り組みをし、どのような支援方策を考えているか、所信をお伺いいたしたいと存じます。 次に、子供の健全育成についてであります。 子供は、その家庭の宝であると同時に、次代の社会を担う一員としての宝でありますので、大事に育成されなければなりません。では、現在の子供が家庭と社会の両面で大事に育成されているかというと、表面的には大事にされている、つまり過保護の状況にあるのが実態ではないでしょうか。記憶に新しい、学校ではいじめがあり、外に出て凶悪犯罪に走る。その数は決して多くはありませんが、少なからず強く根を張っているのではないでしょうか。これは、家庭の責任だ、学校の責任だといった責任追及論のみで解決される問題ではないと思います。社会全体の問題としてとらえ、起こらないうちに解決のために取り組む必要があると考えます。 そこで、第1にしつけの問題であります。 おまえは年だから古臭いといった指摘をされそうですが、戦後の荒廃期に育った子供たちが、今、父となり母となっております。この年齢層の人たちが十分にしつけられて育ったかというと、そうは言えない。終戦を境にして物の見方、考え方が一変したために、当時の親は自信を持ってしつけられなかったのであります。その子たちが十分なしつけを知らずに成長し親となったが、親から伝承されなかったしつけを子供にすることができないといった基本的な問題が介在していないでしょうか。 そこで私は、学校教育におけるしつけ、家庭教育におけるしつけを中心とした内容の宮古版指導書を作成し、配布することについていかがお考えか、お伺いいたします。 2点目は、非行対策としての補導員の委嘱についてであります。 非行として一番問題のあるのは万引きであります。我慢することを知らない、これもしつけの問題と関連するのでしょうが、欲しいものがあればすぐ手を出す、そういったことで補導される件数は増の傾向にあると聞いております。現在、PTAの役員や教員の一部等を少年補導員として委嘱しておりますが、その数が少ないのではないか、また、活動の時間的制約があって十分な成果を上げるに至っていないのではないかなと考えます。 そこで、不良交遊の巣になりがちな大型店舗の施設責任者とか警備員の方を補導員に委嘱することはいかがでしょうか。自分の店の物が万引きされないようにしていればよいといった枠をはみ出し、少年たちに気軽に声をかけてもらうことによって、非行の芽を事前に摘み取ることが可能であろうと考えます。いかがお考えか、お伺いいたします。 この2点について当局の所信を伺いたいと存じます。 これをもちまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 宇都宮産業振興部長。             〔産業振興部長 宇都宮 満君登壇〕 ◎産業振興部長(宇都宮満君) 海洋深層水の採水成功に伴う市当局の取り組みと支援についてお答えいたします。 ご承知のとおり、海洋深層水とは、大陸棚外縁部以下、水深にして 200mから 300m以下にある海水の総称で、低温安定性富栄養性、清浄性、成熟性、ミネラル特性など数々のすぐれた特性を有しており、エネルギー利用分野健康産業分野水産分野など多方面の分野における利用が注目されているところでございます。既に高知県や沖縄県及び富山県などで試験研究が進められ、特に高知県では、海洋深層水を利用した清涼飲料水、日本酒、化粧品などの商品化が進み、21世紀に向けて海洋深層水を利用したビジネスの拡大に期待が寄せられている状況にございます。 市内でも、議員ご案内のとおり、先ごろ民間企業がとどヶ崎沖東方約27㎞の宮古海底谷からの海洋深層水の採水に成功し、この海洋深層水を混合した氷で魚介類の鮮度を保持する実証試験を開始しました。実証試験は、宮古漁業協同組合の協力により、同漁協の製氷工場で混合氷をつくり、先月下旬からさんま漁船への供給を行ったところ、さんまの鮮度保持に高い効果が実証されたところでございます。 市といたしましては、このような民間企業研究開発の動向を見きわめながら、国や県の支援施策等の動向あるいは情報を収集し、商品化、企業化に向けた支援方法を検討するとともに、水産物に利用した場合、有力な当地のブランドになるものと考えており、関係者と連携を十分図りながら取り組んでまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 中屋教育長。             〔教育長 中屋定基君登壇〕 ◎教育長(中屋定基君) 子供の健全育成についてお答えいたします。 21世紀を担う子供たち健全育成について、とりわけ人格の形成期である子供のしつけの大切さにつきましては、当教育委員会といたしましても重要なことと認識しております。 学校教育におきましては、一人一人の児童・生徒を大切にした基本的生活習慣と学習規律の確立についても各学校で取り組んでいるところであります。具体的には、生活科などの教科、道徳、特別活動、クラブ活動等の中で、また学校行事等集団生活全般の中で、適時適所のしつけが存在し、学習指導生徒指導の中に生かされております。 いずれにいたしましても、学校教育におけるしつけには、家庭との連携まで含めて的確な実態把握と児童・生徒一人一人に対しての深い理解が必要です。 次に、家庭教育についてですが、本来、家庭におけるしつけは親の責任のもとで、それぞれの家庭において行われるべきものですが、今日、価値観の多様化、人間関係の希薄化、大人社会のモラルの低下など家庭を取り巻く社会環境の急速な変化は著しいものがあり、核家族化が進行する中、育児不安の広がりから、親のしつけへの自信喪失などが指摘されております。 このような状況のもとで、宮古市教育委員会では従来から、第1子出産予定の夫婦を対象とした講座や、乳幼児、幼稚園、保育所、小・中学生を持つそれぞれの親を対象とした講座を開設し、家庭教育の支援に努めているところであります。また、各保育所と連携を図りながら、子育ての不安や悩みについての相談に対処できる体制を確立してきたところでもあります。 しつけの指導書の配布につきましては、平成11年4月に文部省が、幼児期の子供を持つ親に家庭教育、しつけの内容を記載した家庭教育手帳小・中学生を持つ親には家庭教育ノートを配布し、平成12年度以降も新小学校1年生の子供を持つ親に対して家庭教育ノートを配布しているところであります。 なお、宮古市独自の指導書の配布につきましては、現時点では考えておりませんが、文部省配布資料の成果を見きわめながら、今後とも子供の健全育成について、学校、家庭、地域との密接な連絡、連携を深め、家庭教育の一層の充実を図ってまいりたいと存じます。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 鈴木生活福祉部長。             〔生活福祉部長 鈴木健市君登壇〕 ◎生活福祉部長鈴木健市君) 私からは、非行対策についてお答えいたします。 近年、少年をめぐる状況を見ますと、少年非行は質的にも凶悪化、粗暴化が進んでいる一方、少年が被害者になる凶悪犯罪も増加するなど深刻な局面が続いております。 宮古警察署管内における平成12年8月現在の少年非行の現状を見ますと、刑法犯及び不良行為とも昨年より減少しておりますが、刑法犯においては窃盗が多く、中でも万引きによる補導数が全体の66%を占めております。また、法に触れる行為をした小学生が前年同期の2倍になっており、少年の規範意識の低下とともに、発生の増加が憂慮される状況にあります。 このような中、少年の非行防止を社会全体の責務としてとらえ、関係機関・団体、さらに地域が連携し、一体となった取り組みを進めることが必要であると考えます。当市におきましては、小・中・高等学校の教員、PTA、警察署の少年補導員、防犯協会の会員等を少年センター少年委員に委嘱し、デパートなど大型店等の量販店、スーパー、遊技場、駅、繁華街等少年の立ち寄りやすい場所を昼夜にわたり巡回し、万引きや深夜徘徊等の非行防止に努めているところでございます。 議員ご指摘の大型店につきましては、少年センター街頭補導活動の際に立ち寄り、責任者に一声かけるなど、連携をとりながら、万引き防止について協力をお願いしているところでございます。 今後とも、街頭補導活動を通じて万引き等少年非行を未然に防止し、適切な指導を講ずることにより、非行防止と保護の徹底を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解くださいますようお願い申し上げ、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 山野目輝雄君。 ◆19番(山野目輝雄君) それぞれ答弁ありがとうございました。 それでは、最初に深層水の関係で再度質問いたしたいと思います。 昨年の9月定例会に、当時の総務企画部長同僚議員の質問に際して、深層水を利用するためには、何といっても組織化が必要である、大切である、そういうことで利用促進協議会を設置し、今後、宮古市の深層水取水に関する問題等を積極的に解決でき得るように努力してまいりたいと、こういう答弁であったわけでございます。しかし1年たちました。その組織化も、どうやら宙に浮いているのではないか。「のど元過ぎれば熱さを忘れる」ということわざどおり、議会が済んでから1年、どのような取り組みをしているのか、お伺いをいたしたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 西野総務企画部長。 ◎総務企画部長西野祐司君) お答えを申し上げます。 確かに前回の議会一般質問の答弁では、協議会を設置するということでお答えを申し上げたところでございます。しかし、市内の動きを見ますと、2業者でもって積極的に深層水の開発を進めているということでございますので、行政が積極的に入るのはいかがかなということで、ちょっと様子見をしているというようなところでございます。 しかし、いずれこの深層水は水産加工の方にも利用されると。それから、さっき議員がおっしゃいました出崎のタラソにもいかがかなというお話もありましたので、タラソの利用となりますと、話題性も含め、集客には大変効果があるのではないかなということも考え、これから研究をさせていただきたいと思っているところでございます。 ○議長(蛇口原司君) 山野目輝雄君。 ◆19番(山野目輝雄君) ありがとうございました。前向きに検討していただきたい、実現に向けて努力していただきたいと思います。 次に、子供の健全育成でございますけれども、答弁は要りませんが、実例を申し上げたいと思います。これは市内の実例でございます。 あるときに、少年たちが数人、道路端で言い争いをしていたそうでございます。そこへ通りかかった方が、見るに見かねて注意したと。それを遠くで黙認していた人がいたんだそうですが、注意し終わってから帰宅しようと思って歩いていったら、その遠くで見ていた人がその方を呼びとめて、こう言ったんだそうです。「これこれ、今の子供たちはおっかねぇがえ。ナイフを隠し持ってんがえ。昼間だからいいが、夜などは見て見ないふりした方がいいがえ」と、こういうようなことがあったそうです。私はそれを思うに、やはり宮古市でも、大きな問題にはなっておりませんけれども、起こりやすいような環境が出てきているんだなと、こう思って、このしつけの問題等を提起したわけでございます。 それから、指導書の問題等でございますけれども、何とか宮古版の指導書なるものを検討して、皆さんに配布でき得るようなご努力をお願いいたしたいと思います。 それから、万引きの方でございますけれども、先ほど生活福祉部長から答弁がありました。そのとおりだそうです。小学生が今ふえてきている。小学生が万引きしやすいのは、というか万引きしているのは、テレビゲーム等のソフトといいますか、ああいうものに手を出すと。それから、中学生、高校生等になりますというと、今は男女を問わず化粧をするわけでございます。化粧をしているというのが実態でございます。その化粧品に手を出していることが多いと、こういうことも伺っておるわけでございますので、いずれにせよ、限られた時間内に補導員等もその活動をしているとは思いますけれども、より一層、事前に万引き等をされない環境をつくっていただきたいなと、こう思います。 そういう事例等をお話し、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(蛇口原司君) 次に、23番、田中尚君に質問を許します。 田中尚君。             〔23番 田中 尚君登壇〕(拍手) ◆23番(田中尚君) 私の一般質問は2点であります。 まず、総事業費42億円を投入して整備しようとしております出崎開発計画についてであります。 昨日も、財政論と関連した質問や市当局の決断を促す内容の質問がありました。昨日の答弁によると、熊坂市長は、市政運営の推進に当たっての政策的な視点は一貫しており、予算編成の手法は義務的経費、とりわけ人件費を削減して、投資的経費を最大限確保し、地域経済の活性化に波及効果が期待できるように努力してきたと答えております。 前任者から市政を引き継いだ現市政は、予想以上の財政難を理由に、実現すべき福祉優先政策的課題を先送りし、さらには福祉サービスの見直し、補助金の一律削減などを実施してまいりました。とりわけ、財政硬直化を誘発する起債の発行についても、事業の緊急度や優先性などを考慮に入れ、発行上限額を念頭に置いた財政運営をこの間余儀なくされたのは当然であり、各種事業の推進に当たっても、箱物行政からの脱却は市長自身の公約でもありました。 過去の経緯も踏まえ、市長が事業を推進せざるを得ないと判断しております出崎開発の具体化に当たっても、財源確保の一手法として、市の単独型だった交流施設を広域型に変更したのも、もとはといえば財政難がその背景にあったからだったとも言われております。にもかかわらず、熊坂市長は、広域交流総合施設の整備だけでは集客効果が期待できないとの県の助言をもとに、タラソテラピー館、エコ・ミュージアム館の建設など、莫大な予算を出崎開発に集中投資する政治決断を、議会との事前の協議もなしに下してしまいました。そのため、6月9日の議員全員協議会では、各議員から慎重論が続出したにもかかわらず、当局においては世論づくりのため、市民には計画があたかも決定済みであるかのような誤解を与えかねない新聞報道も行わせるといった念の入れようだったわけでもあります。 住民とのパートナーシップを掲げる熊坂市長が、その住民の代表である議会を結果的に軽視する状況を生じさせたことはまことに遺憾であり、議会としてもその存在意義が問われていると考えるのでありますが、市長は、断固たるリーダーシップの発揮に伴って懸念される市の財政的影響をどう理解しているのか、事前に通知してあります諸点についてそれぞれ答弁を求めるものであります。 まず第1点、財政難を理由に福祉の見直しや生活環境整備面で住民に我慢を強いらせていますが、その一方で出崎開発には莫大な予算の集中投資を行う政策判断は、公正、公平な市政運営の基本理念に反するのではないか。 第2点は、既存の総合開発計画各種事業整備年度への影響の有無とその内容についてであります。今年度が総合開発計画最終実施年度と記憶しておりますが、その実施状況と後年度計画への影響があるのかどうかという問題でもあります。 第3点目が、起債の発行及び償還計画など既存の財政計画との比較や変更内容についてであります。2点目の質問とも関連しますが、財政計画については、6月27日の議員全員協議会の際に資料としていただいておりますが、既存の財政計画という意味は、現在提示されております出崎開発がなかったときの起債の発行計画償還計画との比較においてどうかという点であります。 第4点目は、出崎開発の計画に当たって、予算上の事業費総額、すなわち事業費の制限枠がそもそもあったのかどうか、それとも事業費は幾らになろうが関係なく、必要と思われる施設整備予算の積み上げた結果が今回の数字かという点であります。 出崎開発に関する2番目の質問は、タラソテラピー館を前倒しして整備する判断は、集客効果を期待したものとはいえ、財政的な矛盾を拡大させることは必至であり、抜本的に見直す余裕がないのかという問題であります。 子供や高齢者など市民の健康増進施設であると同時に、観光拠点施設でもあるという位置づけがされてはいますが、市の財政負担を軽減する目的で設置を検討した入浴施設は、この間に生じたあつれきや矛盾を解消するため、市当局においては当初の整備計画から除外する見直しが行われました。しかしながら、この選択は事業収支予測の面では赤字幅を飛躍的に増大させる新たな矛盾を生じさせることになります。それにもかかわらず、海・山・川・港を資源に、産業振興観光交流拠点の創出が目的であれば、財政難などを理由にしていられないと言わんばかりの市長の政治決断は、福祉最優先の公約を放棄する結果をもたらすことにしかならなくなると思うのであります。 出崎地区の開発に当たり、国や県との関係で後戻りができないというのは、国庫補助の導入が前提の交流促進施設であり、タラソテラピー館などテーマ館は市の財政事情や他の事業との優先順位を検討すれば、当局の立場で考えたとしても、整備時期について前倒しをさせる必要はないと思うのでありますが、施設の規模や配置計画の中止など抜本的な見直しを行う余裕がないのか、お伺いをするものであります。 次に、介護保険制度について質問いたします。 4月に介護保険が始まってから、半年が経過しようとしていますが、実態が明らかになるにつれて、急速に失望と怒りが広がっていることが各種の世論調査で指摘されております。それは一言で言えば、介護保険が始まったことによって必要な介護が受けられなくなったという人が大量に生まれ、介護のために介護保険がつくられたのに、その介護保険によって介護が受けられなくなったという制度の存在意義にかかわる根本的な矛盾が露呈しているからであります。 岩手県においても、9月13日開催の第1回介護保険協議会に提出された資料によってもそれは明らかで、居宅サービスの利用状況では、要介護、要支援認定者数2万 2,189人中、サービス利用者は1万 7,279人で、4,910 人、実に22%が利用しておりません。また、区分ごとに介護サービスが保険から支給される限度額との比較でも、利用割合は、区分支給限度額総計の32億 4,700万円に対し、利用支給額は本年7月分で9億 2,000万円、わずか28%でしかありません。宮古市は、県平均を下回る24.4%の利用割合であることが報告されているのが実態であります。 これは一例でありまして、保険料は所得の段階区分に応じて料金が設定されておりますが、利用料は一部を除けば1割の負担が、福祉の措置制度では無料だった低所得者には負担できず、介護サービスを辞退した具体的事例は、さきの6月定例会でも市長から答弁の中で報告されているのであります。こうした問題は、実施以前から予測できた問題で、当議会においても各議員から論議されてきた経緯があります。 来月からは、徴収を延期していた保険料の2分の1徴収が始まります。岩手県においても、来年度の厚生省関係重点事項要望書の中での介護保険制度につきましては、その円滑な運営のための環境整備として、低所得者対策としては、利用者負担の軽減措置にとどまらず、保険料負担についても同様の措置を講ずるよう国に要望しているところであります。 宮古市においても、県と同様の考え方だろうと推測するのでありますが、事業の実施者として制度の欠陥を自治体の努力でどう改善しようとしているのか、要介護認定事務を広域的に処理している中で、中心的役割を期待されている宮古市の今後の改善に向けた検討課題や実施時期などをそれぞれ明確にしていただく答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)
    ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。             〔市長 熊坂義裕君登壇〕 ◎市長(熊坂義裕君) ただいまの田中尚議員の出崎開発計画についてのご質問にお答えいたします。 私は、平成9年7月に宮古市長に就任以来、公平、公正、公開の市政を常に念頭に置きながら、沿岸一強くやさしいまちづくりを目指して、諸課題の解決に取り組んでまいりました。その中でも、安心して暮らせるまちづくりは、住みなれたこの地で、子供からお年寄りまで、健康で生きがいを持って安心して暮らせることが市民共通の願いであります。また、21世紀はセルフケアの時代と位置づけ、自分の健康は自分でつくることを目標に、いきいき健康都市宣言を宣言したところでもあります。 そして、これらの目標の実施のため、宮古市はさまざまな施策を展開してまいりました。また、生活環境整備事業に関しましても、常に環境の保全を念頭に置きながら、公共下水道の整備、道路維持・補修などを中心に鋭意努力しているところでもあります。 さて、これらのやさしいまちづくりとともに大事なのが、強いまちづくり、すなわち産業振興であります。宮古市の基幹産業である農林水産業や観光産業の活性化が図ることが、市内のあらゆる産業の振興につながるものと考えており、産業振興と健康や生きがいづくりの2つの大きな観点から、出崎地区開発を決断したところであります。 具体的には、第1期工事として、広域総合交流促進施設タラソテラピー施設を整備してまいる所存であります。この交流促進施設は、農林水産物、観光土産品の販売や農林水産物を利用した食材提供事業とともに、新たな食品開発や土産品開発にも活用してまいりたいと考えており、さらには観光客に対する情報の受・発信機能を整備し、観光情報はもとより、当宮古地域の歴史や文化等につきましても情報発信できるよう、事業内容を研究しているところでもあります。 また、タラソテラピー施設につきましては、海水の持つ浮力や粘性、水圧の特性を活用した健康増進施設でありますが、いきいき健康都市宣言のまち宮古の特色を生かした施設として、子供から高齢者、障害者まで、幅広い年齢層が利用でき、医療やリハビリにも効果が出るものと考えております。また、このタラソテラピー施設は通年型、全天候型施設であることから、これまで宮古地方の弱点とされていた冬場の観光資源としても格好の施設であると考えております。 以上、出崎開発は当市の活性化にとりまして極めて大きな意味を持つプロジェクトと位置づけており、全力で事業の成功に向けて頑張ってまいりますので、議員各位のご支援とご協力をお願いするものであります。 以上、答弁といたしますが、出崎開発等、財政計画等のご質問につきましては関係部長から答弁をさせます。 ○議長(蛇口原司君) 西野総務企画部長。             〔総務企画部長 西野祐司君登壇〕 ◎総務企画部長西野祐司君) 出崎開発についてにお答えいたします。 議員ご承知のとおり、現在の第6次宮古市総合開発計画は平成8年に策定されたもので、基本計画は前期を平成8年度から平成12年度までの5カ年、後期を平成13年度から17年度までの5カ年としており、現在、後期計画の見直し作業中であります。 また、実施計画は3カ年単位としたローリングを毎年行っております。これは、社会及び経済の動向や住民意識の変化、新たな手法の創出などへの対応の面から、計画を硬直させず、必要に応じて計画の見直しを行っているものであります。 昨年、ローリングで作成した平成12年度から14年度までの実施計画によると、広域総合交流促進施設は平成13年度、14年度に計上されておりますが、タラソテラピー館は未計上となっております。しかし、今回の後期基本計画及び実施計画の策定に際しましては、基本構想の都市づくりの4つの将来像のうち、活力に満ちた産業振興都市、健やかでふれあいのある健康福祉都市の実現のためには必要な事業であることから、計画に計上していく所存であります。 また、他の事業への影響につきましては、後期基本計画、実施計画の策定に当たり、社会及び経済の動向や住民意識の変化に対応した事業を展開することで、出崎地区開発による議員ご心配の生活環境整備への影響はないものと考えております。 次に、起債の発行及び償還計画など既存の財政計画との比較や変更内容についてでありますが、6月27日の宮古市議会全員協議会でお示ししておりますが、平成10年度の地方債の発行額19億 5,710万円、平成11年度19億 2,790万円でしたが、平成12年度は11億 6,270万円の計画となっております。この平成10年度、11年度の起債額は、国の景気浮揚対策に係る事業に充当した部分で増加しております。現時点での起債償還金の予定額は平成12年度の26億 1,016万 5,000円でありますが、平成13年度の26億 8,618万 3,000円をピークに減少し、平成18年度以降は20億円を割るものと計算しております。 次に、出崎地区開発計画の総事業費枠についてでありますが、現在の宮古市の第1期事業費22億 6,500万円、第2期事業費11億 9,000万円、計34億 5,500万円を予定しておりますが、この事業費の額を上限として計画を進めてまいりたいと考えております。 出崎地区開発に係る地方債の発行額は、第1期事業として16億 3,200万円、第2期事業としては10億 1,700万円、合計26億 4,900万円の発行を予定しております。これまでの公債費に出崎開発の起債償還を含めても、起債制限比率は最大でも13%台で推移し、十分対応可能と判断しております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 鈴木生活福祉部長。             〔生活福祉部長 鈴木健市君登壇〕 ◎生活福祉部長鈴木健市君) 介護保険制度についてのご質問にお答えいたします。 広域の取り組みについては、当面、介護認定審査会の共同設置のみで関係市町村の合意を得たものであり、今後、国の動向や施行後の状況を見据えながら、資格管理事務及びその他の事務の共同処理についても検討してまいります。 介護保険制度は、介護にかかる負担を社会全体で支え合うため、すべての被保険者が応分の保険料を負担することを前提としてつくられた制度であり、円滑に実施していくためには、まず制度の内容を市民の方々に十分ご理解いただくことが最も大切な課題であると考えております。 このため市では、一昨年より、市内の公民館や個人の住宅などを会場とし、制度に関する説明会を繰り返し開催してまいりました。昨年10月には、県内で最初に市役所内に相談窓口を開設し、専門の相談員を配置しながら、介護保険全般にわたるさまざまな相談に応じてまいりました。また、本年度は、10月から開始される65歳以上の方々の保険料徴収に向けて改めて説明会を開催し、保険料徴収の仕組みなど制度の周知を図ってきたところであります。さらに、広報紙やリーフレットなどにより、介護保険にかかわる情報も随時提供しております。 市では、本年3月、高齢者が健康で長生きするための方策を取りまとめた「いきいきシルバーライフプラン」を策定いたしましたが、プランには、策定懇話会の委員や説明会に参加いただいた多くの方々のご意見により、市独自の取り組みが盛り込まれております。市民からの相談や意見を事業者のサービスに反映させ、サービスの質の向上を促すためのサービス向上委員会もその1つで、本年8月に設置し、公募により、市民の方々にも委員としてご参加いただいております。 また、介護する方々の経済的負担を減らすため、要介護度3以上と認定された在宅の寝たきり高齢者に対し、紙おむつなど介護用品を支給する介護用品支給事業についても、本年7月から実施しております。 さらに、保健婦や看護婦が家庭を訪問し、栄養管理や介護指導等を行う訪問指導事業を実施し、状態の重い方だけでなく、比較的状態は軽いものの、ひとり暮らしや家に閉じこもりがちなため、今後状態が悪化することが懸念される方々へも訪問対象を広げ、健康状態の維持改善を図ってまいります。 今後、市民の代表、事業者の代表、広域の代表で構成するいきいきシルバーライフ推進協議会で、市独自のサービスも含め、介護サービスのあり方についてもご議論をいただいて、施策に反映させていきたいと考えております。 サービス利用の状況につきましては、制度の施行にあわせて、在宅サービスの充実や施設の整備が図られたことから、全体的にサービス利用者はふえております。特に在宅サービスでは、デイサービスや通所リハビリの利用者がふえており、ホームヘルプサービスでは、利用者が施設入所への意向があったものの、新規利用者及び利用回数がともにふえている現状から、今後もさらに増加するものと予想されております。また、施設サービスでは、市内及び広域管内で新たな施設が建設、増設されたことから利用者はふえており、中でも施設入所待機者は、施行前50人であったものが施行後は3名に減少しております。 いずれにいたしましても、介護保険は新しい制度としてスタートしたばかりであり、市といたしましては、現行制度の充実を図りながら、引き続きあらゆる機会を通じて制度の周知を図ってまいりたいと考えておりますので、議員各位のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) それぞれお答えをいただいたわけでありますが、まず第1点の出崎開発計画について再質問させていただきます。 市長は、なるほど強いまちづくりも約束の一部だということで、今回の出崎開発の政策決定を合理化する答弁をいただきました。しかし、私はこれは手順があると思うんです。優先すべき課題が2つも3つもあるというのは、私は優先とは言わないと思うんです。5つある中で、これはとりあえず大事だからやりますというのが優先であって、その柱は福祉の充実だったわけでありますし、市長の言葉を借りれば、やさしいまちづくりという分野だったわけなんですが、これについては、まずどの程度まで市長が任期中に実行できたのかということを考えますと、少なくとも沿岸一とは言えないような、状態が何ら改善されていないと。そういう状況の中で、軸足を今度は強いまちづくりだという変更は、私は、どなたが聞いても納得がいかないことになるのではないかと思うわけであります。 そこで、傍聴者の方もおられますので、市民の方にお話をしても、一番聞かれるのは、このハイカラな言葉ですね、タラソテラピーというのは一体何なのだということをまず聞かれるわけです。これは、物の本といいますか、パンフレットを見たら、「タラソ」はギリシア語で「海水」、「テラピー」はフランス語で「療養」、両方合わせて「海水療養」だというふうに定義づけられているわけであります。国がそれぞれ違った言葉が両方足されて言葉ができいるという妙な話なんですが、それはさておいて、市長が決断するに至ったタラソテラピー、考えれば考えるほど、宮古市にどういうものを実現しようとしているかといいますと、これはなかなか大変な代物だということが言えると思うんです。 どういう点で大変かといいますと、1つは、この施設を今ある施設で実際に利用されている方の料金設定の問題があります。いずれも高額であります。千葉県の勝浦市の例を参考にされているようでありますが、ここの施設は安くても 3,500円かな、いずれも数万円台の料金が設定されていると。しかも、本来のタラソテラピーの効果を上げるには、専門の医者がいて、その方のカウンセリングをして、その方の健康状態に合ったトレーニングコースといいますか、そういうものを使っていただくというのが、本来の意味でのタラソテラピーだということになっているようでありまして、言葉だけが先走っているのではないのかなと思うんです。 昨日、千束議員が新潟県の名立町の例を引用されておりますけれども、これはタラソテラピーとは言えない、単なるプール施設だというふうに私は認識をしております。それでも、できたばかりですから、非常なにぎわいを見せているのは当たり前でありまして、3年後、5年後を見て本当の答えが出るのかなというふうに私は思っているんです。 入浴施設を除外するということと、それから、先ほど西野総務部長がお答えになりました事業費の上限32億円と、事業費と内部の施設の見直しに伴う数字は、私どもが全員協議会で伺った数字に何ら変化が加えられていないように私は受けとめたわけなんですが、もう一度そこを確認したいわけですので、お答えをいただきたいと思います。 市長からは、立派な施設をつくるんだということでありますと、タラソテラピーの先行地帯であります勝浦市の例の 100%近いものをつくろうとするのか、それともエキスだけ取ってきて整備しようとしているのか。タラソテラピーの中身については、少なくとも今の時点では、市長はどういうふうなものを描いておられるのかよくわからないんです。 参考までに、これもまた明らかにしてほしいと思うんですが、青森県の市浦村、7月の下旬には開業が予定されていたようでありますが、これが10月になっても開業できない、11月になってもまだだというふうに聞いております。教育民生常任委員会では、この施設を見たいということで計画しておったようですが、結局いつになるかわからないということで断念したやにも聞いております。この市浦村のタラソテラピーの施設の事業費は幾らなのかということもそれぞれ引き合いにしながら、我々に数字が出されました12億円という総事業費が適正かどうかという点についても、もう一度お答えいただければ助かるなと思います。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) 私から、後段にご質問されましたタラソテラピーのことについてどのようにまず考えておるのかという質問と、それから市浦村の話も出ましたので、そのことも含めてお答え申し上げたいと思います。 そもそもタラソテラピーというのは、議員が今お話ししたとおりの造語でございまして、「タラソ」というのは「海」、「テラピー」というのは「治療」ということで、海洋療法あるいは海水療法ということになるかと思います。 私は、宮古市の立地されているいろいろな自然条件等を考えますと、これからいろいろ施設をつくっていく上で1つのキーワードは「海」であろうということは思っております。ですから、きれいな海を題材にしたものが何かできたらいいなと、これは健康増進施設に限らず、観光もそうですけれども、そういったものをずっと考えておりました。 私が当選いたしまして、公約といたしましてサーモンパークということを挙げたわけでございます。ただ、サーモンパークに関しましては、当時、私も具体的に描き切れないで、さけの文化を子供たちに示していきたいんだということを言ったわけでございますけれども、用地といいますと津軽石地区はなかなか難しいと。そういった中で、平成6年度からマリンタウンプロジェクトができておりまして、出崎地区に、これは国・県との約束の中で、あるいは漁協との約束の中で、あそこにいずれ開発をしていくと、そしてそこを観光の拠点、第1次産業の発展の拠点にするという計画がございました。昨日のご質問にもお答えいたしましたけれども、そういった市政の継続性ということも非常に大事でございますので、そういったことを勘案いたしまして、また私が考えておりましたサーモンパークということをあわせまして、あそこの場所にそのような施設が整備できればなというふうなことを考えたわけでございます。 そして、当時、最初単独型ということで、市町村単独ということで整備がなされるということ。それは、当初はあの場所ではなかったわけでございますけれども、あそこの場所にやっていかなければならないという今までの経緯がございますので、そうすることによって、その交流施設を張りつけることによって、そこも恐らくマリンタウンプロジェクトの中で位置づけることはできるだろうと。しかし、単独型ですと、どうしても補助の金額が低いと。そうすると余りそういった話題になるものはできないだろうという中で、今度は広域交流施設というふうな、そういうメニューを見つけまして、広域交流施設であれば、さらに大体倍ぐらいいくということですから、8億円から9億円ぐらいのそういった--やまびこ館というのがありますけれども、そういった補助メニューが一緒ですけれども、2倍ぐらいの施設ができるだろうということを考えました。 その中で、確かに国や県と相談する中で、それだけで集客がどうですかということもございました。また、私も、それだけでは、せっかくそういった産業の拠点としてつくる以上は、いろいろなものを考えていくべきだということを考えておりまして、そこにタラソテラピーという、これは当時は2期工事ということで位置づけておったわけですけれども、それを入れるべきではないかということを考えました。 そして、補助申請の期限が迫ってくる中で、総合交流施設だけでは大変難しいと、もしできるならば、財政的に許すものであれば、タラソテラピーまで一緒に整備することが、市民にとりましても、あるいは広域の全体の観光振興にとりましても非常にいいのではないかということで決断をして、皆さんにお諮りしたものでございます。 タラソテラピーの概要といいますのは、私も実際、タラソテラピーを体験したわけではございませんし、文献等でしかわからないわけですけれども、これから言えることは、確実にこの施設は全国各地にふえてくるものだというふうに思っています。そういった中で、宮古市が先鞭をつけるということも言えるかと思います。海を利用した健康増進施設として、これは医学的にも必ず認知されてくるものだと私は思っております。 そして、市浦村の例ですけれども、市浦村の高松村長にも2度ほどお会いをしております。市浦村の財政規模は大体7億円ぐらいと聞いております。施設自体が6億数千万円で、全体で、いろいろな附帯設備を含めると7億円から8億円ぐらいになるだろうということです。ただ、おくれているのは、工期がおくれているというだけの話で、10月にはちゃんと立ち上がるということでございますので、私も村長から招待を受けておりますので、この冬には行ってまいりたいと思っております。 あそこは、非常に遠い場所でございますので、集客はなかなか難しいと。しかし、村民の健康増進を図る上で非常に期待が高いということを伺っております。市浦村以上に宮古市の施設の場合は非常に大きい、11億円ぐらいになるわけですから、市浦村をさらに発展したようなタラソテラピー施設ということになります。もちろん施設を立ち上げるには、専門的なアドバイスを得まして、本当にそこに行けば健康になれると、また話題性が非常にあるというものを、まず本物をつくっていきたいと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 西野総務企画部長。 ◎総務企画部長西野祐司君) 私からは、事業費についてお答えをいたしたいと思います。 事業費につきましては、6月9日の全員協議会でお示ししました事業計画と同じ額でございます。といいますのは、ふろ部分の廃止を決断いたしましたのが8月に入ってからでございました。ふろを廃止した分の事業費につきましては、タラソテラピーの充実、そして拡大を図ったものでございます。 では、どのようなことを考えたのかということになりますと、子供用のプールといいますか、子供が使えるような施設、それから身障者が使えるようなスロープ等を設けたり、それから空間を、上がってからの休む場所を十分スペースをとったり、そういうところに事業費を回したということで、当初の事業費の範囲内で、上限にやっていこうということで進めております。そのことによって、市民の皆さんの利用はもとより、県内外の皆様、県民の皆さんにも使っていただけるのでないかなということで進めております。 以上です。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) 市長は、本格的な、本物をつくりたいというようなお話だったようでありますが、私はそれは言葉だけではないのかなというふうに思うわけであります。 なぜそう言うかといいますと、少なくとも勝浦市の施設は、民間がどこを市場に設定してやっているかといいますと東京ですよね。要するに大都会、非常にお金持ち。したがいまして、料金も1日使う場合、一番安いコースで 7,000円、リラクゼーションコースで1万 1,000円、スーパービューティーセットということになれば2万 8,000円、こういう金額であります。最も利用がしやすいアクアトニックという施設が、これとても3,800 円です、利用が。コースの利用者が同じ日にもう1回入ってくる場合に 200円ということで、こういう料金設定でやられている施設で、施設も三十何カ所あるというふうに伺っております。 私は、これと同じものを宮古市がつくるとは思ってもいませんし、市浦村も、お話を伺いましたら7億円ということですよね。宮古市よりも5億円安い。そうなると、宮古市が考えておりますタラソテラピーというものの施設が本物と言えるかどうか、これは、そのためもあって調査費が今度出てくるのではないのかなと私は思っているんです。 ですから、市長は簡単に本物をつくりたいというふうに言ってはだめなんです。なぜだめかといいますと、実は釜石市の方におきましては、平成5年に、全く宮古市と同じような発想で、海を利用してやろうということで、ここは調査結果が出ています。出た結果どうしたかといいますと、釜石市は断念しているんです。まるっきりあきらめたわけではないですが、今の財政事情の中では困難だと。もっとその前に緊急でなおかつ住民要望との関係で実現していかなければならないものはたくさんあるということで、実は、よく言えば先送りなんですけれども、事実上やらないでいると。 過日の全員協議会で、岩手県が整備をするというようなお話をどなたかおっしゃったので、私はこれは大変な事態だなと思って、もしそれが本当であれば、宮古市をやるのが順番だと私は思ったものですから、確かめたんですが、それはないようですね。それから、大船渡市という話も出たんですが、大船渡市ではないですね。陸前高田市、こっちは本当です。陸前高田市も同じものをつくろうとしている。 そもそもハードも含めて、施設からコース、これを提供している業者は、日本国内では非常に少ないと思うんです。昨年10月に勉強会が行われております。私が今お話をしておりますのは、そのときの資料に基づいて質問しているわけなんですが、この会社の展開する説明書、それのいいところばかりを市の方でうのみにして、そしてやろうと。 お金がかかるということが、釜石市がこの実施を見送った最大の理由なんです。釜石市で金がかかるものを、宮古市でやったら金がかからないということはないわけで、そういう意味で、いわば市の持ち出し、特に事業主体、第三セクターの関係もありますけれども、三セクが事業展開していく場合に、我々にいただいた資料では赤字になりますということだったんです。そうすると、パチンコ公楽の宣伝ではないですが、半端でない玉が出っつうがすという宣伝を毎日テレビでやっていますが、半端でない赤字になっつうがすということでは困るわけでありまして、そういう点で、この施設をつくることによって伴う財政的な影響が我々に判断できるようなものがきちっと出ていない。出せないんだろうと思います、私は。 だから、そういうものは、先にタラソありきで、つくるんだというふうな決定を行うということは、私は普通の、通常の役所の行政の政策を実現する手続からいっても、これはおかしいというふうに思っているんです。まして、先ほどの総務部長のお話を伺いましても、後期計画にもなかったものです。 ですから、なるほど財政当局は苦労されているなというふうに、私はある意味では感心しているわけなんですが、この全協に出された資料を見ても、今、大騒ぎしています平成12年度、タラソテラピーの第1期工事、実際にでき上がるのが平成15年です。今から3年かけてつくらないと、単年度ではなかなか市が対応できない。しかし、市長がやれと言っているから、何とかそういう作業に間に合わせて、財政の実態に合わせれば、こういう方法にしかならないという数字だというふうに私は理解するんです。 では、この計画をつくる前の今の宮古市の財政状況はどうかといいますと、私が壇上でお話ししたとおりであります。これは今後も続くということなんです。今の状況は、決して住民の皆さんに満足のいくような予算対応ができるような財政状況ではない。しかし、これは借金ができるから、後年度にツケを渡すことがあっても、これは組もうと思えばできるんだと、それだけのことですよ。 だとするならば、そのことによって後年度の一般財源を圧迫するわけでありますから、西野総務企画部長は起債制限比率の13%以内だから大丈夫だと言っておりますけれども、大丈夫ではないですよ。あなたが全員協議会に出した資料を見てみましても、例えば起債制限比率は、平成10年度、熊坂市長が市長に就任した翌年ですね、12.7%です。これが減るのではなくて、ふえるんです。市長がこの時点で、宮古市がこんなに財政難だったと思わなかったと言っているんです。もっとひどくなりますよと、13%という数字は。しかも、14年度は2億円の財源過不足が計上されております。15年度も2億円を超える赤字です。これが議会に出された資料です。 しかも、施設ができた後の、今度は第三セクターの事業収支がどうなんだということになりますと、これも赤字ということになっているわけでありまして、それはじゃあ一体だれが今後負担していくのか。これからの宮古市民が負担していくことになるわけでありまして、そういう意味では、地域の三陸総合研究センターが第三セクターについての報告をしております。三陸地域の第三セクターの概要についてということなんですが、三陸地域内には第三セクターによる事業展開が3市6町9村、そのうち地場産業振興型第三セクターが29事業体、観光レジャー型セクターが9事業体、こういうふうになっておりまして、結論的に言えば、うまくいっていないのが観光レジャー型第三セクター、山田町はやめてしまいました。今、宮古市がやろうとしておりますのはまさにこの範疇なんです、タラソだ、何だかんだ言っていますけれども。 私は、そういうことを考えますと、さすがに全国的に第三セクターの問題では、どこも経営破綻で行き詰まって、最終的には自治体がしりぬぐいをするということに歯どめをかけるように、自治省の方からもガイドラインが示されております。私は、これはいずれ早晩そうなると。みんな、いま市長がおっしゃるような期待を込めてやったところなんです。宮古市がこれからやろうとするタラソテラピーは、私はどういうものが出るかわかりませんが、勝浦市の施設から見たら、それの50%かもしれないし、あるいは40%かもしれないし、わかりません。そうだとするならなおのこと、私は不十分な施設にならざるを得ないのではないかと思います。 そういうことを考えますと、同じことになるわけでありますけれども、これをあえて前に持ってくるということの前に、市民や我々が十分に、仮に赤字になったとしても、ほかの政策課題との関係で問題がないというように本当に判断できるまでは、この事業の立ち上げについては先送りするというのが、私はまともな行政の姿だと思います。そう思いますが、これは市長は、もう何回も言っているように最大限の決意を持ってやると言っていますので、この点についてのお答えを伺ってもなかなか厳しい答弁かなというふうに思うんですが……             〔何事か発言する者あり〕 ◆23番(田中尚君) いやいや、決まっていませんよ。予算を提案してくるのは来年度以降ですよ。調査費もまだ出ていませんよ。ですから問題は、市長が決めた、あとは議会がどうするかなんです。我々が市長の決断と同じように判断をして、市民に堂々と胸を張って説明できるかどうかという問題であります、これは。そういう決断がこれから出てくるということであります。 そういう点で、私は市長のためにあえて提言しているわけでありますけれども、財政的な矛盾を拡大させる問題でありますから、抜本的に見直す余裕がないのか。この余裕の意味は、今回7億円、これも大きな事業ですよ。3億 6,000万円の補助金をいただいて整備しようとする交流施設でさえ、私はこれは随分大きなのをつくるなと思います。これができたら3年間はもつんです、珍しさもあって。それをいきなり22億円かけて、3年で使い切ってしまうということにもなりますよと。しかも後戻りがききませんよと。だから、私はタラソについては、百歩譲って、宮古市の海にちなんで海の資源を生かすものだから必要だとしても、場所とかいろいろ検討しなければならない問題があるので、そういう意味で見直す余裕はないのかというのを2つ目に伺っているわけであります。この点についてはいかがでしょうか。 ○議長(蛇口原司君) 西野総務企画部長。 ◎総務企画部長西野祐司君) 財政状況について少しお話をしたいと思います。 確かに、全員協議会でお示ししました財政計画では、赤字というか、財源不足が生じるという資料を出しておるところでございます。しかし、その中であっても、厳しいんですが、やっていけるということでもってご説明申し上げたところでございます。 その後、この出崎開発には第1期工事と第2期工事があるわけでございますが、第1期工事については、ご承知のとおり交流センターとタラソということになります。それから、第2期工事があるわけですが、これは、財政計画上は宮古市でやるという計算のもとに財政計画を立てたわけでございますけれども、第2期工事につきましてはまだ不確定要素が多分にありますので、1期工事だけでもって考えてまいりますと、当然、前にお示しした財政計画よりは楽になっていくわけでございます。 例えばでございますが、26億円の借金をした場合、1期・2期工事合わせての借金でございますが、26億円の借金をしたといたしますと、平成19年以降2億 3,000万円の返済が必要かなということになりますけれども、これを、2期をやめまして1期工事だけにしますと、16年度以降1億 4,000万円ぐらいの返済になるのかなということでございます。 一方、市がいま抱えている大口の債務でございますが、これは体育館が一番大きいわけでございますけれども、体育館の起債の償還でございますが、平成17年度までは約3億円弱の借金を支払っていくというものが、18年度に入りますと1億 4,000万円、それから19年度以降は 3,000万円というような返済計画になっております。その辺を組み合わせながらこの計画を立てたところでございます。建築に当たっての資金については、そういう見方をしながらやってまいったところでございます。 以上でございます。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) 総合開発計画との関係を伺いますが、これは前期計画と後期計画とあって、後期計画の中でもなかったタラソが入っていくということによって、いわば当初の後期計画で事業実施を予定されていたものがおくれる、そういうものが出ているのかいないのかということについてはいかがですか。 ○議長(蛇口原司君) 西野総務企画部長。 ◎総務企画部長西野祐司君) 財政計画を立てるに当たっては、基本になっていますのが総合開発計画の事業をそのまま、財政計画をそのまま使いまして、その上に出崎開発の分を乗せたシミュレーションをしたということでございます。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) そうしますと、ちまたで言われておりますように、例えば宮古小学校の屋体、これが1年度おくれるということはない。それから、市営の火葬場も従来の後期計画にのっていた事業の年度で整備をしていくと、そういうことに間違いはないんだという理解でよろしいわけでしょうか。確認をいたします。 ○議長(蛇口原司君) 中洞財政課長。 ◎財政課長(中洞惣一君) お答えいたします。 開発計画との絡みでございますけれども、現在、開発計画の実施計画にのっている事業、今、お話しになりました火葬場につきましても計上されている計画でございます。これらは、お示しした出崎を含めた財政計画の中には含まれております。 それから、宮古小学校の関係ですけれども、これは平成14年度に建築ではなく、その前の段階について開発計画の実施計画に計上されております。建築についてはそれ以降ということになると思いますので、今年度の後期計画の見直し、実施計画の見直しの中での対応になるのかなと、こういうふうに思います。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君。 ◆23番(田中尚君) そうしますと、影響を受けたものが宮小の屋体だというふうにこれは理解をするわけであります。 私は、過去におきましては、政府の景気対策にこたえる形で重茂中学校の屋体を前倒しして整備した経過もあります。何といっても、宮古市がこれまで財政運営の基本にしてまいりましたのは、義務教育施設の整備、それから公営住宅の整備、さらには地元の大事な産業でもあります産業基盤整備の漁港整備、この3つが従来の宮古市の市政の柱だったわけであります。今回はそういう影響が出ているということでありまして、これは私は非常に納得がいかないということを言わざるを得ないわけであります。 何よりも、市浦村で7億円だったのが何で宮古市で12億円なんだと。市浦村でつくるものがけえなくて、宮古市のものが12億円なんだというふうなことなのか。市浦村もタラソテラピーですよと、十分地元の皆さんの期待にこたえますよと。だったら、私は、事業費の総額も見直して、12億円をかけるのではなくて、できるだけ少なくしていったら、宮小の屋体も同時に整備できるというふうになるのではないですか。 そういう意味で、これは私は手順が全く間違っていると。先にやりますということを決めて、どういうものをつくるのかわからない、事業費もわからない、事業収支もわからない、だから調査をこれからとるんだと、こういうものを議会がそもそも認めるなんていうのは、私は聞いたこともない。そういう意味で、私は非常にこれは大問題があるし、納得できないということを指摘して、質問を次に変えます。 介護保険制度についてであります。これは昨年の答弁を……大体4分の3ぐらいは昨年いただいても別に矛盾が生じないような答弁だったなという気持ちで伺っております。 端的に言わせていただきますけれども、現実に10月から介護保険料の半額徴収が始まると。現在でも国保の滞納額が3億円を超えて、今年度は不納欠損額も過去最高の欠損処理をしていると、そういう状況が生まれております。これは中には、生活をしていくためには保険料も払えなければ、それから利用も今までのようにはできないと、そういう方々も生じていることも事実であります。部長がおっしゃいました利用が伸びているということは、これはこれで伸びてもらわなければ困るんです。これはこれでそのとおりだと思います。 しかし一方では、福祉制度でやっていたときには、ホームヘルプサービスの8割は利用料が無料だった方々です。その方々は、もちろん住民税が非課税世帯ということでありますから、これは本来、国民としての納税の義務、税金をかけることを免除しますと、そうでないと生活ができないと、こういう方々です。 ところが、この介護保険は保険制度でありますから、そういう所得の内容格差に関係なく、公平に負担してもらいますというのが、政府が打ち出した介護保険の仕組みであります。これは非常に大変だということは、政府がよくわかっているわけでありまして、選挙があるので半年間無料にしたわけです。選挙が終わったら半分いただいて、来年はまた選挙があるから、本格的にいただくのは選挙が終わってからだと、こういうふうなのが政府の具体的な対応です。 しかも、介護保険制度は地方分権の先取りだというふうに言われております。私は、地方分権の先取りということで胸を張って言えるのは、隣の山田町や岩泉町ではないのかなと。住民の皆さんと相談をして、ああいう独自の、しかも介護保険制度の根幹に触れるような問題も生活保護世帯等の矛盾を解消する方法として手当てをしている。宮古市は、市長がお医者さんで大変福祉に理解があると、こういう錯覚がありますけれども、そういう点では何ら手当てをしようとしない。私はあえて錯覚と言いました。 6月定例会で、市長はこの私の問題について、議会に相談をする機会を早急に煮詰めたいと、こういう答弁でありましたが、早急に煮詰めるということの意味は、ことしじゅうなのか来年なのか。それから、そもそもこの欠陥についての認識がどうなのか、この点についてもう一度お答えいただきたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) まず、宮古市の福祉の状況について、客観的にちょっとお話ししてみたいと思いますけれども、今、錯覚という非常に厳しいお言葉が出たわけですけれども、宮古市の福祉は確実に、着実に伸びております。 また、地方分権の中で介護保険は先導役だと、そう言われておりますが、そういった中で、宮古市があたかも独自でやっていないように、何かそういう発言でしたけれども、かなり独自なことをやっていると思います。その中で、日本経済新聞等いろいろ紹介されましたけれども、要介護度3、4、5に所得制限を設けない介護用品の給付事業、これは全国的にも例を見ない、地方分権の新しい取り組みということで、高い評価を得ておりますし、また、オンブズマン的機能を持ったサービス向上委員会も県内でいち早く設置いたしました。 介護保険に関しましては、県内でいち早くということが宮古市には多いわけでございます。この7月から発足しました介護相談員制度に関しましても、宮古市はもう既に去年の10月からやっております。いろいろな意味で、私は自分なりにも介護保険に関しましては相当努力しているつもりでおります。そういった宮古市の取り組みに関して、私もいろいろな報告を求められるわけでございます。もちろん、例えばすばらしい施設ができたとか、そういうふうなものは宮古市にはございません。しかし、その立ち上がり方、市民と一緒に立ち上がってきたソフト的なもの、それは私は非常に評価されていいものだと思っています。 また、医者の立場からすれば、福祉に特別なものはないと思っております。これは、確実に市民の方が選べる量を確保することが市町村の責務であると。また、量ばかりでなく、サービスの質がすばらしいということを確保するのが市町村の責務であると思います。そういう意味では、宮古市は量に関しましては、もう既に十分量、むしろサービスが余っている段階です。あと質に関しましても、今のところ苦情は出ておりませんので、介護保険に関しましてはかなり、全国からたくさん視察が来るわけですけれども、それに関しましては胸を張って私は言えると思っております。 それから、前の議会、またその前の議会でも、議員といろいろと話をさせていただきましたけれども、保険料免除の問題、特に低所得者層の5段階のうちで 0.5に当たるところの層の免除でございます。山田町もやっていましたし、また岩泉町でもやりました。また、このことに関しましては、ここ何日か、新聞等でかなり報道されております。厚生省の見解ですけれども、給付と負担の関係を壊す上で非常に好ましくないというような話も報道されております。 私も、確かにかつては人道上というようなことをお話し申し上げましたけれども、これから制度、5年後に改定もございますが、今のところは給付と負担のことを考えて、低所得者層であっても、保険の原則というものを貫いていくべきなのかなということを思っております。ですから、議会に改めて再度お願い申し上げるというふうなこともお話し申し上げましたけれども、私の中では、この3カ月の全国的な動きの中で、当面は制度堅持ということでやっていくべきものではないかなと思っております。 ○議長(蛇口原司君) 田中尚君、簡単に。 ◆23番(田中尚君) 昨日の千束議員に対する答弁からみますと、私は非常に冷遇されているなという思いで伺っております。 といいますのは、前回の議会答弁を3カ月後の議会であっさり訂正するというのは、私は政治家として市長の見識を疑うわけであります。言葉が非常に軽いと思います。本会議場で、あなたは議会と相談してやると言ったんですよ、やるかやらないかも含めて。それさえやらないということは、私もえらいなめられたものだなと思って聞いているわけなんですが、それは私でなくても、議会での論議というのは、もっときちっとお互いに責任を持って行うことが必要だろうと思うわけでありまして、そういう意味では、今の答弁は、市長がそういう人なんだということがよくわかったということで、私は質問を終わりたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 次に、6番、近江勝定君に質問を許します。 近江勝定君。             〔6番 近江勝定君登壇〕(拍手) ◆6番(近江勝定君) 私は、9月定例会に当たり、質問通告に従って2点についてお伺いいたします。 ①番目に、高浜港埋め立てもいよいよ終盤となってまいりました。そこで、その利用方法を考えなければならないと思います。しかし、この地域は県管理地であること、津波等を念頭に置いての利用方法を考えなければなりません。このことから、施設をつくるにしても制約がありますし、今、この地内にある施設は漁民のための共同作業場があるだけです。この作業場では、かきむきが行われており、衛生管理上問題があることから、ハセップ対応施設を早急に完備する必要があると思います。 また、あの広大な埋立地であることから、公園等も考えられる。このような施設をつくるにしても、水道管が通っていません。このことから、水道が必要となってくることから、ぜひ水道管の引き込みが必要と思うのでありますが、どのようにお考えになっておられるのか、お伺いをします。 ②番目に、金浜から高浜に通ずる海岸道路整備について伺います。 この道路建設については、昭和61年12月、宮古港湾整備事業に伴う漁業権放棄に関する附帯条件の覚書の中に明記されております。それから15年近く経過している現在まで、地元に対し何の話もなく、忘れ去られているとしか言いようがありません。ただし、このことには残念なことに、何年ごろまでに整備するという期限が明記されていませんので、これから整備すると思いますが、何年ごろ着工する予定なのか、伺います。 ③番目に、下水道整備事業についてお伺いします。 現在、水道工事も進み、旧市内の幹線工事もほとんど終わりに近づいていると思います。そこで、今後、高浜・金浜方面への事業着手は何年ころになるのか、伺います。 あえてなぜこの質問をしたかといえば、現在、高浜港湾が整備され、すばらしい船着場ができたことから、逆に湾ができたことにより、海水の交流がなくなり、家庭等からの雑排水が停留することとなり、湾内が汚れる危険が心配されるところであります。現在でも干潮のときなど悪臭がすることがあり、早い着工を望むところであります。 質問の第2点目は、風況調査についてお伺いします。 先月、全員協議会において亀ヶ森風況調査結果が報告され、総合的判断では余りよい評価がされなかったのであります。この結果、当市として今後も場所を選定し風況調査を継続して行うのか、お伺いいたします。 以上、壇上からの質問は終わりますが、再質問は自席より行わせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 大利都市整備部長。             〔都市整備部長 大利泰宏君登壇〕 ◎都市整備部長(大利泰宏君) 高浜港埋立地利用についての中で、第1番目の、高浜港埋立地が完了することから、今後の活用法と水道を引き込むべきではないかとの質問にお答えいたします。 宮古港湾の整備につきましては、港湾計画に基づいて整備を進めているものでありますが、今年度完成予定の高浜地区は、昭和61年10月の港湾計画改定により、地元漁業関連機能を集約することを柱として整備を進めてきたものであります。 具体的整備目的ですが、港湾管理者である県では次の2点を示しております。1つは、地元小型漁船係留のためと、2つ目は海上工事用作業船の係留に対応するということであります。 1つ目の整備目的である小型漁船の係留につきましては、地元漁業者が適正な漁業活動を展開するための施設として、船だまり及び係留施設の整備に加えて、背後地のふ頭用地は野積み場、漁具置き場等に利用されることになっております。 2つ目の整備目的である作業船の係留につきましては、漁業関連事業に伴う工事用の作業船の安全を確保するための施設として、係留施設の整備と背後のふ頭用地は作業船にかかわる陸上での作業等に利用されることになっております。 また、水道の引き込みにつきましては、港湾管理者として水道を引き込む計画は現在のところなく、利用者側に設置をお願いしたいという県の方針が示されておりますので、ご了承願います。 次に、2番目の金浜から高浜に通じる海岸道路の整備計画についてお答えします。 宮古港港湾整備事業の推進により、漁業権の補償に関する附帯条件について、岩手県が昭和62年1月8日付で宮古漁業協同組合に回答しておりますが、この中にご質問の海岸沿いの道路改良を宮古市が行うという項目があります。海岸沿いに設置する道路でありますので、安全対策や多大な事業費の捻出など事業化に向けての大きな課題があることから、県と協議してきたものですが、この間に、高浜地区の港湾施設整備と海岸事業や河川事業による高潮対策としての防潮堤の整備が進み、金浜寄りの港湾入り口部に防潮堤の門扉が設置され、港湾施設に出入りできるようになったことなど状況が大きく変化してきました。 このような状況から見ますと、金浜地区の皆さんの高浜地区港湾へのアクセスは、むしろ国道45号を利用する方が安全対策上も望ましいことから、金浜地区の漁業者の皆さんにご理解を得ていきたいと思いますので、議員のご理解とご協力をお願いいたします。 3番目は、高浜及び金浜地区への下水道整備計画についてのご質問についてお答えいたします。 当市の公共下水道事業は、昭和52年度から閉伊川左岸の市中心部より管渠敷設工事に着手し、昭和63年10月より宮古浄化センター、宮古中継ポンプ場の完成に伴い供用を開始して以来、12年が経過しております。その間、認可区域を拡張しながら鋭意事業を推進しているところであります。 平成11年度末の閉伊川左岸の事業認可内の整備率が約80%となることから、認可区域の拡大について県から指導を受け、区域拡大の申請をしておりましたが、本年6月1日付で建設大臣より既認可区域 666.8haに166.9ha を追加し、 836.7haとする区域拡大の承認がなされたところであります。今回の区域拡大の地域としては、閉伊川左岸で残されている長町の一部と板屋、上鼻、神田沢等の約61ha及び閉伊川右岸の小山田、藤原地区の 108.9haであり、閉伊川右岸の中継ポンプ場となる小山田のポンプ場を設置し、平成18年度をめどに順次整備してまいりたいと考えております。 さて、ご質問の高浜及び金浜地区への下水道整備計画についてでございますが、今回認可されました平成18年度までの閉伊川右岸の小山田、藤原地区までの事業を推進し、その後、磯鶏地区、八木沢地区、藤の川団地等の磯鶏一帯を事業展開してまいりたいと思っております。そして、それらの整備終了後に高浜及び金浜地区の整備に取りかかることができればと思っておりますので、何とぞご理解賜りますようお願い申し上げまして、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 西野総務企画部長。             〔総務企画部長 西野祐司君登壇〕 ◎総務企画部長西野祐司君) 風力発電についてのご質問にお答えいたします。 平成9年に開催されました地球温暖化防止京都会議において、21世紀の地球温暖化対策に世界中の国が協調して取り組んでいくことが確認されたことはご承知のことと思います。地球にやさしいクリーンエネルギーの開発と利用は、時代に適合した取り組みでもあり、当市といたしましても、環境対策を推進する施策の1つとして、風力開発に向け、市内田代の亀ヶ森地区で昨年6月からことし7月までの1年間、風況精査を実施したところであります。 調査結果につきましては、報告会を8月21日に議員及び庁内関係課職員を対象に実施したところであります。その中で、風力開発の目安となる1年間の平均風速は毎秒 5.3mとなっております。今回の風況精査は、新エネルギー・産業技術総合開発機構との共同研究で実施したもので、その評価基準値である毎秒 5.8mを下回る結果でありました。亀ヶ森地区で事業化する場合は、民間開発による売電事業が主となることから、今回の風況では経済性に問題があるという報告を受けたところであります。 また、新エネルギー・産業技術総合開発機構が発表している風況マップによると、亀ヶ森地区以外で風が強い地区は重茂地区と長沢地区でありますが、現地を踏査した結果、両地区とも風車設置の際に大規模な道路改良、新たな送電線の建設費が必要となることから、経済性に問題があると考えております。 今回の調査の結果を踏まえ、亀ヶ森地区の標高 1,000mを超える地点での風況調査を希望する企業もあることから、関係機関と調整を図りながら的確に対応してまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 近江勝定君。 ◆6番(近江勝定君) どうも答弁ありがとうございました。 高浜港の利用に関しましては、あそこの地区は津波の関係もございまして大変難しいところだろうなと、このように思うわけでございますが、それにしましても、結局、北側の埋め立て後、相当年数がたっているわけでありますが、そのまま放置しているわけでございます。草も夏場になるとぼうぼうと生えまして、虫の発生とか、いろいろごみの投げ場ともなっているわけです。 それで、あそこに何かつくるといっても、さっき言いましたように津波の関係もありますので、なかなかつくるのは大変かなと、このように思っているところでございます。地元とすれば、ぜひ公園なんかつくってもらえればなと、このように言われる部分もありますけれども、その辺はいかがでございますか。 ○議長(蛇口原司君) 大利都市整備部長。 ◎都市整備部長(大利泰宏君) 先ほどお答えしましたように、港湾の整備につきましては港湾計画に基づいて進められております。そういう中で、当高浜地区は、公園の施設指定というふうなものは現在のものにはございません。そういう中で、今回、この地区の整備が完了するというふうな状態を迎えておりますので、現在の計画ではそういった整備の予定はないというふうなことを、この場ではお答えせざるを得ないところでございます。 ○議長(蛇口原司君) 近江勝定君。 ◆6番(近江勝定君) いずれ、このことを話していっても同じことになっていきますので、最後に風力発電の質問をさせていただきます。 先ほど、3カ所を選んで、亀ヶ森が一番いいだろうということで亀ヶ森を選定したということでございますが、長沢地区も検討の場所に入ったようでございますけれども、確かに風力発電ですから、風が強いところが一番いいわけですけれども、いろいろと見てみますと、風が強いだけではだめだと。風向といいますか、風の方向がある程度安定していなければ適していないと、こういうことでございます。 そこで、先ほど西野部長は、民間企業が亀ヶ森でもいいというような言い方をしておりましたけれども、葛巻町を見てみますと、来年度に20基ほどの風車を立てると、つくっていく構想のようですけれども、今の袖山ですか、あそこのところは場所が悪いということで、早坂高原の方に建設をするということのようでございます。それは、風とともに、 1,000kwの風車しかできないと。 1,500kは道路事情が悪くてできないということで、 1,000kのものを20基つくるという構想のようでございますが、やはりそういうことからいって、亀ヶ森も相当大きいトレーラーが入っていかなければ工事が進まないのかなと、このように思うわけですけれども、その辺の道路事情に関してはどのようにお考えになっておられるでしょうか。 ○議長(蛇口原司君) 金澤企画調整課長。 ◎企画調整課長(金澤康拓君) お答えいたします。 昨年の調査は、亀ヶ森の 720m地点で実施したものでございます。これは、冬期間の除雪等々の問題がございまして、データの回収に除雪がなければ行けないという機械の事情がございました。今回、この 5.3mの結果を受けまして、 1,000m地点、新里牧野、それから峠の神山付近で 1,200mになるそうでございますが、ここで再調査をしたいという企業の希望がございます。これは、携帯電話等を使って、そのデータの送信が昨年の機械よりは相当進んだという事情もございまして、実施をしたいという申し込みを受けているところでございます。 何とか市といたしましても、この国有林野の借用、それから新里村営牧野との連絡調整、生態系調査の連絡調整、農地の転用関係、こういうものについては、協力をしながら調査をお願いしていきたいというふうに考えております。 ○議長(蛇口原司君) 近江勝定君。 ◆6番(近江勝定君) これは市当局の熱意があれば実現していくのかなと、このように思うわけです。さっき葛巻町の例を申し上げましたけれども、さっき金澤課長が言われたとおり、冬場に何か故障すると雪上車を借りて行かなければならないと、こういうようでございます。それで、今度つくる早坂の方もですね、もっと条件は悪いようでございますけれども、民間企業がそれでもあそこへ立ち上げていきたいということでございますので、やっぱり熱意で相当やっておられるのかなと、このように感じたところでございます。 機材を運ぶにしても、宮古港というすばらしい港があって、そこから荷揚げすれば、非常に宮古市は条件的にはいいのかなと、こういうふうに感じているところでございます。ぜひひとつ、今後、風力発電に向けて鋭意努力していただきたいということをお願いをして、終わります。--------------------------------------- △散会 ○議長(蛇口原司君) 本日はこれをもって散会いたします。             午後2時59分 散会...